2022/05/21

新しいおもちゃ 2

 
JR東日本E351系は カーブでは車体をカーブ内側に傾ける
制御付き振り子車両でした。

わが鉄で導入したE351系も 振り子動作をします。
興味が湧きますので ちょっと探ってみます。
ただ 実物の振り子車両を探るのではなくて
わが鉄の振り子車両はどうなっているのかを探る ですので

E351系は自然振り子ではなく 制御付き振り子とのことですが
わが鉄には地上子は設置していないので
まず どの状態で車体が傾くのか 確認です。
R249mmのカーブに車両を停止させてみると
カントが付いていない線路の水平に対して 車体がカーブ内側に傾いています

後ろから見ると しっかりと傾いているのがわかります
連結器とジャンパー線は台車に固定されていますので 線路と平行で 
車体とでは角度が付いてますよね

では どうやって振り子っているのか?

静止状態で傾くということは 振り子/遠心力で傾いているのでは無い
と云うことです
空気ばねによる変位でしょうか それとも油圧制御でしょうか
増々疑問点が大きくなります

台車付近を見てみます
前/右は 普通の台車形状と 心皿付近で車体にピンで固定される構造 で
従来と大きな変更点は見られません
油圧・空気圧などの配管も 当然ながら見られません

後ろ/左は 車体への取り付けが心皿/台車中心 ではなくて
台車の連結面寄りの車輪辺りで車体に固定されています
何か理由がありそうです
後ろ台車をよく見てみると 
台車を回転/右回り させると 台車自体が傾きます

左回り の時も同じように 台車は傾きます
台車を回転させると 台車が傾く=車体が傾く これが車体の振り子動作のようですね
台車がレールのカーブの沿って回転すると なぜ台車が傾くのか
後ろの車体と台車をもう一度詳細に確認してみます

この台車の回転中心の左・枕木方向に窓があります 
台車の回転中心に沿って何かが移動した後もあります
台車を隣に置いて観察すると
レールから左右の車輪で集電し車体側へ通電するシューが
台車心皿から偏芯した位置にある 台車回転中心によって回転・接触した跡 のようです
台車の中心に2本突き出ているのが シュー です

車体側を見てみます
車体中心を頂点に 左右に傾いた形状です
これは何なのか?

車体の内部構造を確認しないと疑問が解けないようです
納入されたばかりの新車で保証期間中
分解すると保証されなくなりますが ここは真実の追及が優先
ってことで 全体を分解しましょう
台車の上に 床下から覗いていた物は
台枠と座席の間に設置されている 電源バスバー兼死重 です

左右のレールから車輪で集電した電力は 台車のシューからバスバーに伝えられ
電力を必要としている個所へ給電されます
ハの字の形状で台枠に固定されています

台車とシューの動きを見てみましょう
通常は台車の中心に回転中心があり 台車の枕木方向に2つのシューが設けられ
台車が回転するとレール方向に円弧を描いて移動します
シューは 車体に設けられた円弧上の穴の先に設けられた電極に接触して
電力を車体に供給します

E351の車体後部の 台車中心と回転中心が異なる場合を見てみます。
後ろの台車回転は 台車中心より右にずれています
台車の2つの車輪の間にシューは 通常の台車と同じような位置・形状です

台車が 右にずれた回転中心で回転すると シューは枕木方向に移動します
つまり シューを左右/枕木 方向に移動させるために
台車の回転中心を後ろにずらした のですね

従来の台車では 台車の心皿と回転中心が一致していて 
台車が回転すると シューは 車体の前後/レール 方向に移動します
車体前部の台車がそうですね

振り子機能付き台車では
回転中心をずらすことでシューを枕木方向に動かし
車体に固定されたバスバーの傾斜に沿わせて車体を傾ける
これが 車体傾斜のメカニズム のようです


車体傾斜のメカニズムの 概略図です

赤の山形ハの字は バスバーで車体に角度をつけて固定されます 
青は車輪 オレンジは通電シュー 黒はレールです

台車に固定された シュー/オレンジは 車体のバスバー/赤 に接触しています
直線走行時
車体中心と 台車中心が一致していて
台車のシューは車体のバスバーに左右均等に接触しているので
車体は傾きません

車両は画面の後ろから前方向に進んでいるとします
左カーブに入り台車が右回転すると シュー/オレンジも右に移動し
右シューが 右下がりのバスバーを押し上げ 車体を左に傾かせます

同様に右カーブ入ると
台車左回転→ シュー左移動→ バスバーを押し上げ→ 車体右に傾く 

シューを左右に動かし バスバーを山形に配置した 
のがこのメカニズムの肝ですね

台車回転中心を心皿からずらして設定することにより
シューの移動を左右方向/枕木方向 とし
通常は床と並行に置くバスバーを山形に配置して
 シューの左右の動きを 車体の上下の動きに変えると云う
実にシンプルで うまい方法を考えたものだ と感心しました。

Katoさん 素晴らしいです!!


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