前回,走行音の問題,スムーズでない走行を調整しました。
もう一つの問題点
最近,カーブ通過時,時々トレーラ車両の連結面台車が脱線します。
お客さんは乗っていないんで,脱線しても費用の発生はない のですが
保守担当から 復旧のために腰を上げて出動するのがめんどくさい とか
運転担当からも ロック片手に気分よく運転しているのに 気分台無し! など
クレームが出始めているのです。
たぶん,どちらかの台車の回転がスムーズでなくて
軽いトレーラ台車が脱線するのではないかと推測してチェックです。
そうしたら狙い通り ありました。
動力台車の連結面側台車の回転阻害要因の発見です。
出入り口のステップに当たるので切り欠きが設けられていますが
切り欠きが小さいのか 空気ばね(ダイヤフラム)が大きいのかで
干渉仕合って動きを悪くしているようです。
車体に切り欠きを大きくするのは カッコ悪いので
台車の空気ばねを少し削ります
ダイヤフラムの削りが右下がりの斜めになっているのは
担当によく注意するとともに 後ほど修正いたしますので 悪しからず
実は実際の車両でも,
デッキの下にダイヤフラムとの干渉を避けるための切り欠きが設けられていたのです。
それから考えられることは
ボルスタレス台車のダイヤフラムは,車体外板と面一ぐらいの位置にある
と云うことですね。
他社はどうしているのでしょう?
同じ車両,同じ台車形式は所有していないので
同じようなボルスタレス台車で比較してみました。
左はK車のキハ111 右はM社のHB-E300です
左のK車のキハ111
ダイヤフラムは薄く車体の下に収まっていますが,
車体とダイヤフラムの間には隙間が生じています。
これが本物 実際のキハ111の台車です。
引用:ネコ・パブリシング 台車近影
暗くて見にくいですがダイヤフラムは車体に接触しています。
M社 HB-M300
ダイヤフラムは厚く車体の下端と同じくらいの高さがあります。
当然ステップの下端はダイヤフラムより下に位置します。
HB-E300実際の車両の台車です。
引用:ネコ・パブリシング 台車近影
実際の車両では,ダイヤフラムは車体下部に接触しているので
M社の形状が実車により近い形ではありますが,ダイアフラムの形状は一段でM社の2段と異なります。
床下です。
左がK社 キハ111 右はM社 HB-E300です
台車幅 16.7mm 台車幅 17.5mm
車体裾幅 内寸17.0mm 外寸18.0mm 車体裾幅 内寸16.5mm 外寸17.9mm
車体裾板厚 0.5mm 車体裾板厚 0.7mm
床下の実物写真はありません。
残念ながら本物はヒックり返ってくれないのでね。
大きな違いは 車体の厚さで K社は0.5mm M社は0.7mm であることです。
K社は肉厚を薄く成形して,内寸法を広く作ることが可能となりました。
そして 台車の横幅寸法です。
K社は車体内寸法に抑えるため,台車寸法を小さく製作しているようです。
それに対しM社は,車体の幅は実車の寸法にこだわったようで
車体外寸法と同じような大きさで出来上がっています。
つまりK社は 肉厚を薄く成形できるため内寸歩を広くでき,ちょっと妥協して台車を小さく設計して左右,上下に余裕を持たせた。
対してM社は 内寸法が狭いにもかかわらず,台車は実寸法にこだわって設計し
上下,左右とも余裕が少なかった。
どちらを採用するのか? それが設計の腕の見せ所です。
台車自体は見栄えが良くできていますが,車体に収まらないのは困ったネ。
ダイアフラムを改造した後の デッキ-台車付近
やっと 台車に車体を載せます。
修理が完了しました。
次は本線試運転です。
ブログのテーマをたくさん与えてくれるM社に ちょっと感謝です。
つづく
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